広告 アドベンチャー

ラスティング・ホープス

 
 

はじめに

惹かれあう運命のように、ジョエルとテリーは壊れた都市、ウェストヴィルで出会った。

かつての繁栄を思わせるその都市の廃墟の中、ふたりは未知の危険とともに未来の希望を探し求める。

感染者たち、そして人々の欲望が交錯する中、彼らの絆が試される旅が始まる。

この物語は、絶望の中で芽生える希望と、人間の強さ・弱さを描いた冒険譚である。

壮大なスケールで描かれる彼らの物語を、心の底からお楽しみください。

1. 壊れた都市、ウェストヴィル

灰色の空。廃墟となったビルの隙間から冷たい風が吹き抜けるウェストヴィルは、かつての賑わいを失っていた。この都市の人々は感染の恐怖から逃れるため、遠く離れた場所へと避難したのだ。

メインキャラクター、ジョエルとテリーが出会う

テリーはこの都市で家族を失ってから、一人で生き抜いてきた。彼の目には若さとは裏腹に、戦いの中で磨かれた強さが宿っていた。

「おい、そこの君!」声をかけられ、テリーは振り返った。前方に立つのは、髭をたくわえた中年の男、ジョエルだった。彼はかつて家族を持っていたが、感染者によって彼らを失い、孤独に生きてきた。

「何か用か?」テリーは用心深く答えた。

「安全な場所を知ってる。一緒に行くか?」ジョエルは、彼の瞳に隠れた孤独を感じ取っていた。

「何故、私にそんなことを...?」テリーの心の中には、人を信じることのできない不安が渦巻いていた。

「感染者や略奪者から守るためだ。一人では危険だろう。」ジョエルは彼の腕に傷を見つめ、気遣いを込めて言った。

「...分かった。だが、裏切ったら容赦しないからな。」テリーは、彼の誠実さを感じながらも、警戒心を解かなかった。

「当然だ。」ジョエルは微笑んで答え、彼の心の中の壁を少しずつ崩そうとした。

かつての文明の遺跡を探索

二人はウェストヴィルの中心部へと足を運んだ。路上には古い車やバスが放置され、あちこちから草木が生えていた。この光景は、かつての人々の日常が感染者によって断ち切られたことを物語っていた。

「ここは、昔は賑わっていたのか?」テリーが小さな声で尋ねると、その声にはかつての日常への憧れがこもっていた。

「ああ、子供たちが遊ぶ声や、人々の笑顔で溢れていた。」ジョエルは、過去の思い出に心を馳せながら答えた。

「感染者は?」テリーは常に周囲の安全を気にしていた。

「近くにはいないはずだ。しかし、気を許すな。いつ出てくるか分からないからな。」ジョエルは、経験から得た知識でテリーを守ることを誓っていた。

建物の中を探索しながら、二人は必要な物資を集めていった。古い新聞や写真、そして日用品。それぞれがかつての人々の生活を物語っていた。テリーはそれらの品々を見ながら、感染前の日常を想像していた。

「ここに、人々はどこへ行ったんだろう...」テリーはつぶやいた。

「生き延びるための場所を探して移動したんだろう。」ジョエルが答えると、彼の目には新たな希望とともに、過去の悲しみが宿っていた。

2. 希望の重荷

ウェストヴィルの奥深く、ジョエルとテリーは一息ついた。古びたアパートの一室で火を灯し、夜の静寂を待つのだった。

テリーの特別な能力の発見

ジョエルが火の前で温めた缶詰を開けると、テリーは手を切ってしまった。血が滴り落ちるのを見て、彼は驚きの表情をした。

「大丈夫か?」ジョエルが心配そうに尋ねた。

「うん、でも...」テリーはその血をジョエルに差し出した。「見て、この血、普通じゃない?」

ジョエルがテリーの血をよく見ると、微かに光を放っていた。

「何だこれは...」ジョエルは驚きの声を上げた。

「私、感染者にならないの。これが理由かもしれない。」テリーは不安げに告げた。

ジョエルはしばらくの沈黙の後、テリーの肩を握った。「これは希望だ。感染の解決の鍵になるかもしれない。」

「でも、これが知られたら狙われるわ。」テリーは危険を感じながらも、ジョエルの言葉に安堵の表情を浮かべた。

レジスタンスとの出会い

翌朝、二人は滞在地を出発し、廃墟となった街を進んでいた。すると、突然、男たちに囲まれた。

「おい、君たち、ここは通れない。」一人の男が言った。

「なぜだ?」ジョエルは怒りを込めて答えた。

「私たちはレジスタンス。感染者や略奪者と戦っている。」男は身をもってレジスタンスの紋章を示した。

「レジスタンス...」ジョエルはその名前を知っていた。

「私たちは安全な場所を探している。手伝ってくれ。」テリーが頼み込んだ。

男たちはしばらく囁き合った後、答えた。「君たちを基地に連れて行く。しかし、何か隠していないか?」

ジョエルはテリーを見て、彼の特別な能力を隠すことを決意した。「隠していることは何もない。」

そして、ジョエルとテリーはレジスタンスの基地へと向かった。彼らが持つ希望は、未来を変える鍵となるのだろうか。

3. クリッカーズの脅威

レジスタンスの基地から出て、ジョエルとテリーはウェストヴィルの東部へと進んでいた。

変異した感染者、クリッカーズとの戦闘

一通りの廃墟の間には、不気味な音が聞こえてきた。それはクリッカーズと呼ばれる変異した感染者の音だった。

「あの音...クリッカーズだ。」ジョエルは警戒の表情を浮かべる。

「クリッカーズって、何?」テリーは未知の生物の名前に驚きを隠せない。

「変異した感染者だ。非常に危険だから、近づいてはいけない。」ジョエルがテリーの腕を掴む。

その言葉を交わしている間に、数体のクリッカーズが彼らの方へと迫ってきた。

「逃げるか?」テリーがジョエルに尋ねる。

「逃げるぞ!」ジョエルが叫ぶ。

しかし、ジョエルは足を取られ、クリッカーズに襲われる。その瞬間、テリーは彼の特別な能力を発揮し、一瞬のうちにクリッカーズを撃退した。

「どうやって...?」ジョエルは驚きながらテリーを見つめる。

「後で説明する。今は逃げることが先だ!」テリーが急き立てる。

ウェストヴィルを脱出

ジョエルとテリーは急いでウェストヴィルを後にした。

ウェストヴィルの古びた建物の影から影へと身を隠しながら進んでいたが、街の至る所にはクリッカーズや他の感染者たちの気配が漂っていた。テリーの目はある感染者の集団に留まった。

"ジョエル、あそこに大勢のクリッカーズがいる。通り抜けられるかな?"

ジョエルは先を指差して言った。

"あのビルの中を通れば迂回できる。でも、中は危険かもしれない。"

テリーはしっかりとジョエルの手を握りしめた。

"大丈夫、僕たちならできる。"

2人はビルの中へと足を踏み入れた。薄暗い中、テリーの特別な能力によって、彼は近くにいる感染者の位置を感じ取ることができた。

"左に3人、右に2人。静かに進もう。"

"了解。テリー、君の能力は本当に役立つな。"

彼らは慎重に感染者たちを避けながら進み、ビルの裏口から外へと出た。しかし、その先には落ちてきた大きなガードレールが道を塞いでいた。

"こんなところで止まるわけにはいかない。"

ジョエルはテリーに合図をして、ガードレールの下をくぐるように身をひしょりとした。

"テリー、後ろから何か来る音がする。急ごう。"

2人は何とかガードレールを乗り越え、安全な場所へとたどり着いた。息を切らしながら、テリーは微笑んだ。

"これも全部、僕たちの絆のおかげだ。"

"そうだな、これからもお互いを信じて進んでいこう。"

その後も2人は多くの困難に遭遇したが、互いの力を合わせてそれを乗り越えていった。

「あのクリッカーズ...あれが私たちの未来なの?」テリーが不安げに言う。

「それを防ぐのが、私たちの使命だ。」ジョエルが答える。

「私の能力...それが全ての答えを持っているのかもしれない。」テリーは自分の手を見つめながらつぶやく。

「それを見つけるのが、私たちの旅だ。」ジョエルはテリーの手を取り、彼を励ます。

二人は新たな希望を胸に、未知の旅路へと足を進めていった。

4. 失われた仲間たち

ジョエルとテリーはウェストヴィルを抜け、荒廃した森の中へと進んでいた。森の中では、他のサバイバーたちとの出会いが待っていた。

仲間との出会いと別れ

森の中でキャンプをしていた一団のサバイバーたちと出会う。その中には、マイアという女性と、リックという男性がいた。

「あなたたちは、どこから来たの?」マイアが尋ねる。

「ウェストヴィルから。」ジョエルが答える。

「私たちもそこから来た。もう、あそこは危険すぎる。」リックが悲しそうに言う。

夜が更ける中、火を囲み、四人はそれぞれの過去や経験を語り合った。

「私たちも、安全な場所を求めて旅をしている。」マイアが語りだす。

「一緒に行こう。力を合わせれば、もっと遠くへ行ける。」テリーが提案する。

数日間の旅を経て、ジョエル、テリー、リック、そしてサラの四人はある古びた町へと足を踏み入れた。この町はかつて賑わいを見せていたのだろうが、今は感染者たちが跋扈する危険な場所と化していた。

夜が迫る中、グループは一つの古い煉瓦造りのビルを見つけ、そこに身を寄せて一晩を過ごすことにした。しかし、テリーが夜の静けさの中で耳を澄ますと、遠くの方から微かに不気味な鳴き声が聞こえてきた。

"ジョエル、感染者たちが近づいてきてる。少なくとも20匹はいる。"

"皆、用心して。ここは高い場所だから、二階に避難しよう。"

四人は急いでビルの二階に上がったが、感染者たちはすぐさま彼らのいる場所を見つけ出し、群れをなして襲いかかってきた。窓ガラスが割れ、ドアが蹴破られる音が響き渡る中、四人は必死になって感染者たちと戦った。

"リック、後ろ!"

"くそっ、こんなところで...!"

リックは一匹の感染者に襲われ、彼の腕に深い傷を負ってしまった。彼は感染者を撃退したが、失った血の量は決して少なくなかった。

"リック、大丈夫か?!"

"...大したことない。でも、これ以上戦うのは無理かも...。"

四人はなんとかその場を逃れ、隣の建物に避難することができた。しかし、リックの様子は次第に悪化していった。失血がひどく、顔色が蒼白になっていた。

"リック、頑張ってくれ。サラ、絆創膏とガーゼはあるか?"

"あるけど、これだけでリックの傷は治らないわ...。"

リックは苦しそうに息をしていたが、彼の瞳には諦めるようなものはなく、戦友たちに安心させるための強い意志が見て取れた。

"ごめん、皆...。でも、俺はここで最後まで戦うつもりだ。"

"リック...。"

「逃げるんだ、マイア!」ジョエルが彼を引っ張る。

「でも、リックを...」マイアの言葉は途切れる。

「後悔しても、彼は戻ってこない。今は、生き残ることを考えないと。」テリーがマイアの顔を掴んで、言う。

夜が明ける頃、リックは失血死として息を引き取った。その死は、旅を続ける者たちにとって大きな打撃となり、彼の勇気と絆をいつまでも胸に刻み続けることとなった。

サバイバルの難しさ

リックの死後、ジョエル、テリー、マイアの三人は、さらに深い森へと進んでいった。

「食料がなくなってきた。」ジョエルが懸念を示す。

「この先、何か食べられるものがあるかもしれない。」テリーが提案する。

「サバイバルは、常に予測不可能だ。信頼する仲間との絆が、唯一の心の支えだ。」マイアがつぶやく。

彼らは狩りをすることで食料を確保し、安全な場所で夜を過ごした。

「リックのことを思い出すと、悲しくなる。」マイアが涙を流す。

「彼は、私たちのために戦った。彼の思いを、無駄にしてはいけない。」ジョエルがマイアを励ます。

「そうだよ、マイア。私たちは、彼の思いを胸に、前に進むんだ。」テリーが言う。

三人は新たな決意を胸に、未来への希望を探し続けるのだった。

5. 山を越えて

ジョエル、テリー、マイアの三人は、次の目的地として巨大な山、スノウピークを目指していた。

難所、スノウピークへの挑戦

山の麓に立ち、彼らはその巨大さと荘厳さに圧倒される。

「この山を越えれば、次の安全な場所があるって、本当なの?」マイアが疑問を投げかける。

「昔の地図には、そう書いてあった。」ジョエルが答える。

「でも、この高さ...ちゃんと越えられるのかな。」テリーが心配そうに言う。

「一緒にいれば、大丈夫だ。」マイアが二人の手を取る。

登山の過程で、彼らは様々な困難に直面する。岩の崩れ、吹雪、そして極度の寒さ。

「ここでキャンプを張るぞ。」ジョエルが提案する。

「でも、こんな寒い中で?」テリーが驚く。

「山の中腹には、風を避けることができる場所がある。そこで休むのだ。」マイアが言う。

冷たく厳しい自然環境の中でのサバイバル

三人は、風が吹き込まない岩の間にテントを張り、火を起こす。

「こんな環境でも、火がついてよかった。」テリーが安堵の表情を見せる。

「サバイバルの基本は、火を起こすことだ。」ジョエルが教える。

「食料は、どうするの?」マイアが心配そうに尋ねる。

「この辺りには、エダブルな草や動物がいるはずだ。」ジョエルが言う。

翌日、彼らは雪の中、食料を探しに出る。

「これ、食べられるの?」テリーが不安そうに草を持ってくる。

「これは、山の中では良い食料になる。」マイアが笑顔で言う。

「この山を越えるためには、自然との共存が必要だ。」ジョエルが深く呟く。

夜、三人は共に過ごした日々の経験や、これからの目標について語り合った。

「この先には、新しい世界が待っている。」テリーが夢見るように言う。

「それを見つけるために、私たちは山を越えるのだ。」ジョエルが言う。

「一緒に、その新しい世界を見つけよう。」マイアが手を取り合う。

三人は、新たな決意を胸に、スノウピークの頂上を目指して進むのだった。

6. 信頼の絆

スノウピークを越え、一息つくジョエルとテリー。彼らは火の側で、過去のことを語り始めた。

ジョエルとテリーの関係の深化

「テリー、お前はどうしてこの旅を始めたんだ?」ジョエルが質問する。

「家族を感染者に…失った後、新しい目的を見つけたかったから。」テリーが目を伏せる。

「私も同じだ。娘を失ってから、ただ生きるだけの日々だった。」ジョエルが淡々と語る。

「でも、ジョエルと一緒にいると、僕は希望を感じる。」テリーが静かに言う。

「テリー…私もだ。お前との旅は、新しい何かを教えてくれる。」ジョエルが微笑む。

ふたりは、夜の空を見上げながら、お互いの絆を深めていく。

過去のトラウマとの向き合い

ある日、テリーが突然、過去のトラウマに襲われる。

「ダメだ、あの時の声が…!」彼が取り乱す。

ジョエルは、彼を抱きしめ、静かに囁く。

「大丈夫だ、テリー。私が守る。」

「でも、私は…私は家族を守れなかった…」テリーが涙を流す。

「私もだ。娘を守れなかった。だけど、その罪を背負い続けるのではなく、前を向いて進むしかない。」ジョエルが言う。

「ジョエル…」テリーがしっかりと彼の手を握る。

「お互い、過去のトラウマと向き合って、新しい未来を切り開こう。」ジョエルが決意を込めて言う。

テリーは、ジョエルの言葉に力を得て、過去の傷を癒やしていく。

ふたりは、共に過去と向き合いながら、新しい未来への道を探し始める。

7. レジスタンスの本拠地、イーストヴィル

ジョエルとテリーはついにレジスタンスの本拠地、イーストヴィルに到着する。

都市の中心には大きな建造物がそびえ立ち、人々の生活の様子が見受けられた。

新たな仲間との出会い

「これがレジスタンスの拠点なんだな。」ジョエルが感心する。

「はい、ここには多くのサバイバーが集まっています。」と、声をかけてきたのは、レジスタンスのメンバー、アリアだった。

「アリア、よく来てくれた。」テリーが笑顔で迎える。

「テリー、君たちを待っていたよ。ジョエル、よろしく。」アリアが握手を求める。

「お互いに。」ジョエルが答える。

「こちらは、レオンとエマ。彼らもレジスタンスの重要なメンバーだ。」アリアが紹介する。

「テリー、久しぶりだね。」レオンが笑う。

「エマ、お久しぶり。」テリーが彼に微笑む。

「新しい仲間を連れてきたんだね。」エマがジョエルを見る。

「はい、彼はジョエル。彼とは途中で出会い、一緒にここまで来たんだ。」テリーが説明する。

テリーの能力を活かした新たな計画

「実はテリー、君の能力について話を聞いたんだ。」アリアが言う。

「ええ、私の体は感染に耐性があるみたいなんだ。」テリーが答える。

「それはすごいことだ。我々レジスタンスは、テリーの能力を使って、感染を止める方法を見つけたいと思っている。」アリアが明かす。

「本当に?それなら私は協力するよ。」テリーが即答する。

「でも、それは危険だ。テリーの体には何が起こるか分からない。」ジョエルが心配する。

「それを承知で、私は協力する。」テリーが決意を固める。

「我々もテリーを守るための準備はしている。ジョエル、君も協力してくれるか?」アリアがジョエルに頼む。

「テリーが協力するなら、私もその傍にいる。」ジョエルが答える。

新しい計画が動き始める中、ジョエルとテリー、そしてレジスタンスのメンバーたちの絆は深まっていく。

8. 最後の戦い

イーストヴィルの本拠地には緊張が走っていた。

外の壁の先には、ゾンビとクリッカーズの群れ、そして敵の人間たちが待ち構えていた。

ゾンビ、クリッカーズ、そして人間との三つ巴の戦い

「この戦いは避けられない。」アリアが重々しく言う。

「私たちの力を合わせれば、勝てるはずだ。」エマが力強く言う。

「私も戦う。」テリーが宣言する。

「テリー、お前は中で待っていろ。」ジョエルが心配する。

「僕も戦います。私の能力は、こういう時のためにあるんですから。」テリーが反論する。

突然、壁の外から爆発の音が鳴り響く。

「彼らが攻撃を始めた!」レオンが叫ぶ。

レジスタンスのメンバーたちは、武器を手に取り、戦いの準備を始める。

ゾンビとクリッカーズが壁を乗り越え、人間の敵も後を追う。

「アリア、エマ、左を固めろ!レオン、右を守れ!」ジョエルが指示を出す。

「テリーはこっちに!」ジョエルがテリーを守るために叫ぶ。

戦いは激しさを増していく。

ジョエルとテリーは感染者やクリッカーズの数が増えてきたことを実感した。彼らの現在の武器や戦術では、この戦闘を続けるのは難しい。そこで二人は、状況を打破する新たな方法を模索することに。

「このままでは、いつかは私たちも捕まってしまう。」テリーが真剣な表情で言った。

ジョエルはうなずきながらも、彼の顔には決意の光が見えた。「あの古い研究施設を覚えてるか? 我々はそこに一時的に退避し、新しい兵器を開発するべきだ。」

テリーは考えた後、「分かった、でもそこには感染者がうろついているかもしれない。用心して進む必要がある。」

二人とレジスタンスのメンバーは慎重に街を抜け出し、研究施設に向かった。施設に着いたとき、確かにそこには感染者が数匹いたが、ジョエルとテリーの協力で彼らを排除することができた。

テリーの選択

「ジョエル、私の能力を使えば、戦いを終わらせられるかもしれない。」テリーがジョエルの耳打ちする。

ジョエルはテリーの言葉を驚きの目で見つめた。「本当にそんなことができるのか?」

テリーは頷いた。「以前、私が感染者の群れに囲まれたとき、私の血を偶然一匹の感染者に付けた。その感染者は突然暴れだして、他の感染者を攻撃し始めた。私の血液には何か、感染者に対する特別な反応を起こさせる成分が含まれているようだ。」

ジョエルは考え込んだ。「それなら、あなたの血液を使って、何らかの兵器や罠を作れるかもしれない。感染者を引き寄せ、その場で排除することができるかも...」

「安全を確保できた。ここでテリーの血液を使って、新しい兵器の開発を始めよう。」ジョエルが提案した。

二人は取り組むことを決意し、テリーの血液を用いて実験を始めた。最初は小さな試験を行い、テリーの血液に水を混ぜて感染者の前に置いてみた。その結果、感染者はその場所に集まり始め、争いを起こしていた。

「これは効果がある!」ジョエルは興奮して言った。「でも、大勢の感染者やクリッカーズを一度に引き寄せるには、もっと大量の血液が必要だ。」

テリーは考え込んだ。「私の体から大量の血液を取るのは危険だ。でも、何か方法を見つけないと...」

ジョエルは提案した。「テリーの血液を元に、何らかの合成物質を作成することはできないだろうか?」

二人は近くの研究施設を探し、テリーの血液をベースにして新しい化学物質を開発し始めた。これにより、感染者やクリッカーズを一か所に集め、彼ら同士で戦わせることができる兵器を完成させることができた。

絶体絶命の状況の中、テリーの選択が、彼らとレジスタンスの未来を変えることになる。

9. 新たなる未来へ

テリーとジョエルが開発した兵器は、感染者とクリッカーズに対する特効薬としての機能をも持っていた。これはテリーの血液に由来する特殊な成分を利用しており、彼らに接触すると瞬時に中和する効果があった。

「これを利用すれば、前線での戦闘が楽になるはずだ。」ジョエルは新しい兵器を見て期待に満ちた表情を浮かべた。

レジスタンスは、この新しい兵器をフィールドでのテストのため、小規模な部隊に配布した。初めての戦闘では、感染者とクリッカーズがこの兵器の前に無力であることが確認された。

しかし、成功の裏には新たな問題が潜んでいた。兵器の供給が追いつかず、すぐには全兵士に配布することができないという現実があった。

「私たちが兵器をもっと大量に生産する間、前線を守ってくれ。」ジョエルはレジスタンスのリーダーに頼み込んだ。

激しい戦闘が続く中、ジョエルとテリーは日夜兵器の生産を続けた。数日後、ついに必要な量を製造することができ、前線の全兵士に配布された。

新兵器の力を持ったレジスタンスは、感染者とクリッカーズに対する劣勢を逆転させることに成功。一大決戦の日が訪れると、レジスタンスは圧倒的な勝利を収め、街を取り戻すことができた。

「これで、新たな未来を築く準備が整った。」ジョエルはテリーと共に新しい朝日を見つめ、希望に満ちた表情を浮かべた。

戦いの結果、レジスタンスは勝利を手にした。

しかし、その代償として多くの犠牲が出た。

イーストヴィルの町は再建の兆しを見せ始め、人々は新しい生活を模索していた。

新しい世界のための決断

「これから私たちが次にすべきことは?」エマが集まったリーダーたちに問う。

「ゾンビとクリッカーズの脅威はまだ残っている。」アリアが重い口調で言う。

「テリーの能力を使って、完全に終息させる方法はないのか?」レオンが提案する。

ジョエルはテリーの方を心配そうに見る。

「私は協力する。ただ、それには時間がかかるかもしれない。」テリーが静かに答える。

「私たちには、新しい世界を築く責任がある。」エマが強く言う。

「それには、私たち全員の協力が必要だ。」アリアが付け加える。

ジョエルとテリーの未来

夕焼けがイーストヴィルの町をオレンジ色に染める中、ジョエルとテリーは屋上に立っていた。

「ここから見ると、町は本当に美しいね。」テリーが微笑む。

「うん、でも、これからの町の未来は、お前のおかげだ。」ジョエルがテリーの肩を叩く。

「私はただ、できることをしただけよ。ジョエル、私たちの未来はどうなるの?」テリーが横目でジョエルを見る。

「私たちの未来は、自分たちで築くものだ。」ジョエルが答える。

「私たちの旅は終わったわけじゃない。新しい未来を築くための冒険が、これから始まるんだ。」テリーが笑顔で言う。

二人は夕焼けの中、新しい未来に向かって手を取り合い、前進していく。

おわりに

長い旅の終わりに、私の心境を伝えたいと思います。この物語を執筆する過程は、私自身の内省の時間となりました。ジョエルとテリー、そして彼らとともに生き抜いた多くのキャラクターたちの物語は、私たちが直面する試練や困難、そして人との絆の大切さを象徴しています。

物語を進める中で、私は多くの瞬間で自分自身の過去や未来、そして人との関わりを振り返りました。キャラクターたちの経験や選択、心の葛藤は、私たち一人ひとりが日常で感じる感情や疑問と重なる部分が多々ありました。

この物語を通して、読者の皆様にも自らの人生や人間関係を深く考え、そして新しい気づきや学びを得ていただけたらと思います。物語の中で描かれた絆や愛、信頼、そして希望は、現実の世界での私たちの生き方や価値観にどのように影響を与えるのか、その答えは一人ひとりの心の中にあると信じています。

最後に、この物語を最後までご覧いただいた皆様に心よりの感謝を伝えたいと思います。読者の皆様の心に、ジョエルとテリーの冒険が少しでも響いてくれたなら、それ以上の喜びはありません。

この旅の終わりと共に、筆者としての一つの物語が完結しますが、新たな冒険はこれからも続いていくことでしょう。皆様のこれからの日々が、この物語のように愛と絆に満ちたものとなることを願ってやみません。


 

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  • この記事を書いた人

meganuma

ブログ運営者のmeganumaです。 若かったころに戻りたいとは思わない。なぜなら今を楽しんでるから(たぶん…)。 1979年の福岡生まれで福岡育ち。娘と息子、妻との四人、福岡の田舎で暮らしています。 楽しかったことや、オリジナルストーリー等、いろんな情報を発信したいと思っています。

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